上海神戸館だより(2002年8月10日)

株式会社トラストシステム(賛助会員企業)は、中国のソフト開発事情視察と将来の
提携先調査のため、予め神戸館で調査していた上海市と南京市の関連業者を訪問しま
した。その結果、@南京市のある会社は新設ながら、日本語1級の技術者を3人そろえ
ておりまた、日本でのソフト開発経験者が開発担当をしているのでパートナーとして
組みやすく、今後の提携を合意したものです。9月には早速双方が技術者をまじえて
相互に会社訪問をすることになりました。今後の動向として、同社は中国に連絡拠点
を設けることまで展望しています。
 今回調査に同行してソフト開発の状況を聞いて感じたことは、ソフト開発の中にそ
の国の文化や習慣が入り込んでいること、即ち日本向けソフト開発には日本の感覚が
必須であることのようでした。基本設計から詳細設計にいたるまで日本人式に標準化
されたものでなければ採用されにくく、そこを発注側と詰ながら仕上げていくという
世界のようでした。根底ではものづくりと同じく心の技というところでしょうか。し
たがって、技術者をインドからという向きもありますが文化の理解という点において
まだ中国技術者の方が理解されやすいようです。
 ソフト開発の企業間交流事例としては神戸館にとってはじめてのことであり貴重な
経験でした。

                               鳥本敏明