神戸館だより(SARS情報)2003/05/16
(SARS感染統計は不要とのご意見がありましたので今後割愛いたします)

* 上海市小企業(貿易発展)服務中心を訪問しHIS(兵庫投資サポートセンター)製
作の“兵庫・神戸企業進出案内”パンフレット50冊をお届けし、あわせて同センター
の顧月明部長と懇談をしました。同センターは、上海市50万中小企業の実質的な窓口
であり大阪商工会議所とも提携を行っています。顧部長はこれまで東京・大阪地域だ
けであった交流が今後神戸館を通じて兵庫・神戸にも開かれることになり交流の幅が
広がりますと喜んでおられました。また、意外なことに今後海外進出を重視したいと
いう意向をお聞きしました。進出形態としては資本参加・企業買収などに力を入れた
いとの希望です。以前上海市対外投資促進中心からも海外進出の話は聞いていました
が各部門ともかなり力を入れているようです。既に日本企業に資本参加した中国のあ
る会社は日本の許認可を取得する手間が省け、また、販売力も活用することができる
のでこの方式は非常に効果的であるとしています。念のために資本金の外貨送金は問
題なく行われるとのことでした。中国側からのM&Aですね。詳しくは当館までお問合
せください。

 SARSの問題が終われば日本向けの経済視察ミッションを企画したいとのことで、説
明会を6・7月に開催する予定である旨も付け加えられました。
 (5月14日)


鳥本敏明

*********************
当局から出されている注意事項を翻訳して送信いただきました。
ご参照ください。

非典型肺炎の予防と治療Q&A

非典型肺炎とは?
最近発生した非典型肺炎の原因は、はっきりしていない。2003年初旬から中国で発
生。近距離の飛沫感染及び密着接触により伝染する呼吸器系の伝染病である。臨床治
療においては肺炎とされ、家庭内や病院で顕著な集団感染現象が見られる。

非典型肺炎の主な症状は?通常の風邪と、どういう違いがあるのか?
主な症状は発熱・頭痛・全身筋肉痛・脱力感・空咳・少量の痰、息切れなど呼吸困難
も一部見られる。内、ごく一部は呼吸障害に進展する。早期は白血球が正常又は低数
値で、肺部の映像は肺炎による変化が見られる。
普通の風邪と違い、行動記録が必要である。発病二週間以内に同病病人と密着接触し
た、又は明確に他人にうつした証拠となる。肺炎流行地区に居住、又は二週間以内に
非典型肺炎が流行している地区に行った者も行動記録が必要である。他、普通の風邪
なら発熱・せき・頭痛などの症状は数日内に好転し、肺炎の跡も見られない。

非典型肺炎の感染経路は?
原因は判明していない。近距離の飛沫感染、病人の呼吸器分泌物との接触と密着接触
による感染である。人ごみで感染し易く、医療関係者は感染の危険性が高い。

もし発熱や咳等の症状が出た場合は、どのように処置すべきか?
発熱、咳等の症状が出た場合は早急に診察を受ける事。正確な診断の為に行動記録は
必ず医師に報告する事。

非典型肺炎を予防するのに、どんな有効措置があるのか?
1. 窓を開け通気を良くし太陽に当たる:朝晩帰宅した際に通気をする。1日3〜4
回、毎回最低20分。公共の場所では換気設備を機能させる事。
2. 睡眠を十分に取り夜更かししない。成人は7~8時間は寝る事。抵抗力を増強する
為に労働と休息を適度に配分する事。
3. 衛生的習慣をつける。食事前・トイレ後・公共物品に触った後・公共場所に出
入りした後・くしゃみ・せき・鼻をかんだ後等には清潔な水で最低30秒は手洗いす
る。手洗い後は清潔なタオルまたはペーパータオルで水分を拭き取る。
4. 規則正しく、バランスの取れた、適度な食事(10原則)
@ 1日一瓶の牛乳                    A 1日一個の卵
B 毎日豆製品を食べる。(50g)             C 毎日海の魚を食べ
る。(50〜100g)
D 豚肉の代わりに鶏肉、アヒルを食べる。        E 毎日500gの野菜を
食べる。(内、果物50〜100g)
F きのこ類を献立に入れる。               G 糖分や高脂肪を控
える。
G 三人家族で毎月の塩分摂取量は500g以内に。     I 適度な運動。スポー
ツは非典型肺炎予防に有効である。

ワクチンは有るのか?
現在予防ワクチンはない。

もし家族や友人が非典型肺炎に感染している事が証明された場合、どのような予防措
置を採る必要があるか?
患者はマスクをし、他人への感染を予防する。見舞いや看護する者もマスクを着用。
健康状態には留意し、もし症状が出た場合は即病院で診察を受ける事。家庭内ではタ
オルや歯ブラシを分けて使い、出来れば食事も分けて摂り、洗面器も分ける事。

何故洗面器やタオルを分けて使う必要があるのか?
手洗いと同じ理屈である。タオルや洗面器を共有する事で感染する可能性が上がる
為。

非典型肺炎の予防には、どんな消毒方法があるのか?
1.食器の消毒:15分の煮沸消毒又は30分の蒸気消毒。塩素を含む消毒剤(84消毒
液)を使用しても良い。
  1:200(50KGSの水に250Gの84消毒液)に15分浸す。

2.空気消毒:無人の条件下で紫外線消毒を行う。室内10u/40W/台で、毎日1〜
2回の輻射、毎回一時間。
  または塩素を含む消毒剤で噴霧散布しても良い。100ml/uで二回噴霧。腐食
し易かったり変色する部分は
  散布30分後に清潔な水で洗浄、又は拭き取る事。

3.衣類の消毒:汚染された衣類は塩素を含む消毒液1:150に30分浸し、清潔な水で
洗浄した後、日光が出てい
  る環境で陰干しする。家具等の物品も塩素を含む消毒液1:150で拭く。

************************


企業(工場)、事務所の為の非典型肺炎予防の手引き


1. 各団体の責任者は従業員の健康に気を配り、非典型肺炎に対する知識をつけ予
防措置を理解する事。かつ従業員にも伝える事。


2. 毎日従業員の健康状態を把握する。特に従業員が密集する作業環境や集合宿舎
を有する団体は、相応の身体検査制度を制定し、専門担当者に管理させ必ず実行する
事。情況が出た場合は直ちに処理する。発熱や咳等、疑わしい症状の従業員がいれ
ば、直ちに正規の病院へ送り診察を受けさせる事。


3. もし従業員が非典型肺炎患者又は疑い患者と診断された場合は、その所属団体
は直ちに予防保険所に関連情況を報告する。かつその従業員と同じ宿舎や作業環境に
あって近距離接触した者の情況も把握する事。同環境内で近距離接触した者は10日以
上の観察期間を経て、発熱や咳等の疑わしい症状がない場合に出勤しても良い事とす
る。


4. 非典型肺炎患者または疑い患者と確定診断された者の住む宿舎や屋内作業場所
は即座に予防保険所の指導下で消毒処理を行う事。


5. 作業場所、特に密集する作業場、従業員の集合宿舎は、出来る限り通風を確保
する。もし自然通風が不足している場合は、事足りる通風装置(換気扇)を取り付け
十分な通風換気を確保する。エアコン下の作業場所では十分に新鮮な風が入るよう調
整する。毎週室外ファンや濾過ネット、送気設備、送気パイプ等の清掃を行う。
500〜1000mg/Lの塩素を含む消毒液で二度以上拭く事。


6. 作業場所の作業台・地面等は、毎日作業開始前と作業終了後に清掃を行う。室
内消毒は散布や拭き取りを主とする。
具体的には500mg/Lの塩素を含む消毒液で作業台を拭き、モップで地面を拭く。
電話機やドアノブ等、容易に接触感染しやすい場所は重点的に消毒を行う。毎日業務
終了後一度行う。


7. 過度の残業を行わない。従業員には十分に休息を取らせる事。抵抗力をつける
為に、従業員の栄養状態にも気を配ったり、体の鍛錬を行うような活動も行うべきで
ある。また防寒にも気を配る事。


8. 健康に関する知識の広報を行い、従業員個々が衛生に気を使うよう教育し、手
洗い等の習慣を付けさせる事。特に出勤
  前や終業後に手洗いさせ、従業員の病気予防に対する意識を高めさせる。


9. 衛生運動を展開し、生活や作業環境の整理清潔を保持し、病気発生の予防を行
う。


10. 予防保険所の指導の下で予防消毒を行う。